# 1.3 ICE画像生成と検証範囲

この版は、公開された実ICE動画を参照し、動く3D組織から2Dの合成画像を生成します。臨床ICEの忠実な再現を証明した製品ではありません。公開動画の患者を3D再構成したものでも、画像生成AIを学習したものでもありません。

## 使用した実データ

Abuissa H, Roka A. *How to Perform a Completely Fluoroless Ablation*. J Innov Card Rhythm Manag. 2023;14:5455–5464. DOI: [10.19102/icrm.2023.14055](https://doi.org/10.19102/icrm.2023.14055), [PMC10193879](https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10193879/)。

- Video 3「Tenting on fossa」：940×884、10 fps、174フレーム。画面内の組織領域から動きの時間波形を抽出。
- Video 4「Transseptal puncture」：948×768、10 fps、約33.7秒。実画像の観察・コマ送り用。
- ファイルはEurope PMCの公開supplementaryFiles APIから取得。ブラウザー表示用に映像符号化をMPEG-4 Part 2からH.264へ変換し、画角・表示内容・フレームレートは変更しない。解析用のVideo 3原本も同梱。著者・論文・Creative Commons Attributionの出典を表示。論文はライセンスの版番号を指定していないため、こちらで版番号を付けない。
- 原動画と表示版に対するファイルチェックサムは `public/reference/files.json` に保存。

動きの抽出：Video 3のROI（左上x=175, y=330、幅230、高さ190ピクセル）にFarneback optical flowを適用。濃度28〜220の領域のフロー中央値を積算し、0.65〜2.2 Hzの帯域に制限する。2〜14秒区間の縦方向信号の最大スペクトル成分は1.0 Hz。周期位相ごとに平均し、振幅を正規化した24標本を使用する。結果は `motion-prior.json`、再計算用の処理は `analysis/extract-motion.py`。

**これは画像の動きの事前情報であり、心電図、患者の心拍数の推定値、組織固有の動きではない。** 探触子・呼吸・手技操作の影響は分離していない。単一の低フレームレート動画から、患者の3D変形や血行動態を推定したとは扱わない。

## 3Dと撮像位置

アトラスは既存のZ-Anatomy / BodyParts3Dの39構造を保持。心房中隔と卵円窩の2構造は引き続き教材用の補助再構成。元のファイルに分割された卵円窩は存在しない。

短軸と長軸は異なる探触子位置・方向から生成する。卵円窩中心を原点、前方u、上方v、右房→左房wとした局所座標で、長軸の基準位置は(0, −32, −19) mm、短軸は(20, 8, −22) mm。基準ビームと針軸のなす角は長軸約59°、短軸約44°。側方に扇形を発する配列として3D表示する。2断面は同一画像の回転ではない。位置はアトラスに対する教材設計値で、臨床の標準位置や実機操舵の校正値ではない。

3D表示・針・卵円窩とエコー内の組織座標には、同一の可逆変換を適用する。抽出した時間波形に対し、前後方向の伸縮±2.5%、上下方向の伸縮±1.8%、法線方向の変位±1.6 mmと小さな剪断を与える。この空間変換は設計上の仮定であり、患者の計測や心筋力学に基づくものではない。中隔に対する針の接触・テント形成は既存の教材モデルを保持し、力や破断を解いてはいない。

## エコーの生成

1. 心房・心室・大静脈・大動脈・大動脈弁のアトラス三角形を、144³、1 mm間隔の組織場へ変換。元メッシュ周辺に表示用の厚みを持たせる。心筋全層や組織学的な内部構造を計測したものではない。
2. 中隔近傍では重なる元の心房壁を除き、卵円窩と周囲壁の体積を補助再構成から計算。薄い床とテント状変形をサンプリングする。
3. 112走査線×256深度点、90°扇形。組織座標に固定した複素散乱振幅をサンプリングし、拍動時は同じ散乱体を移動する。粒状模様を画面上で毎フレーム乱数生成する方法ではない。
4. ビーム厚方向を3点で積分。界面の音響インピーダンス差・入射角、周波数依存減衰、深度補償、複素PSFの軸方向・横方向畳込み、包絡線・対数圧縮と走査変換を計算する。
5. 金属には3D距離と入射角に応じた反射、減弱、および探触子と金属の間を往復する距離に基づく3回までの簡略化した反復像を加える。これは完全な多重散乱の解ではない。

音響パラメーターの参考：*Cardiac ultrasound simulation for autonomous ultrasound navigation* (2024), [doi:10.3389/fcvm.2024.1384421](https://doi.org/10.3389/fcvm.2024.1384421), PMC11347295。心筋・血液のインピーダンス1.71 / 1.62 MRaylと減衰係数0.52 / 0.18を参考にした。中心周波数7 MHz、ダイナミックレンジ58 dB、ビーム幅や散乱体密度は本教材の表示設定。論文のMonte Carlo法・Field II・OptiX実装を再現したものではない。

## 操作・記録

拍動の停止、周期の変更、位相の指定、ゲイン・深度・探触子位置・向きの変更が可能。断面記録時は拍動を固定し、同じ針位置・同じ位相の長軸と短軸を比較する。拍動を再開するか針位置・位相を変更すると、2断面記録を解除する。公開実動画には通常再生・コマ送り・0.5倍速があり、合成像とは独立して再生する。

針先の可視性フラグは幾何学的にビーム内かどうかを表す。低ゲインや弱い反射における人間の認識、診断、左房到達を判定しない。

## 残る検証

ソフトウェアテストは座標の整合性・周期の連続性・散乱体の移動・有限体積・断面外処理を対象とする。実機の画質と比較したSSIM、分解能、コントラスト、針の見落とし率などの検証値はない。異なる患者画像との見かけの類似性を精度値として報告しない。

実際の教育効果を確かめるには、術者による中隔・大動脈・針の描出方向の確認、実機と同じ探触子条件を与えたファントム実験、複数症例の画像評価、学習者を対象にした評価が必要。屈折、実機のビーム形成、3D局所心筋力学、呼吸、ドプラ、心嚢液・タンポナーデ検出、力覚、合併症低減は未実装または未検証。
